【Common Journal vol.13「あゆみ食堂 大塩あゆ美さん」】

コモンにまつわる日常の風景や物語をお届けする『Common Journal』。第13回は、長野県諏訪市で「あゆみ食堂」を営む、料理家・大塩あゆ美さんをゲストにお迎えしました。

大塩あゆ美 
あゆみ食堂店主 出張料理“あゆみ食堂”として都内を中心に活動後、2019年秋より長野県諏訪市に実店舗をオープン。現在は、お店での日々の食事作りを中心に、様々なイベント、展示会などでケータリングや出張料理を行い、料理を食べる人、食べる環境、コンセプトに合わせて作る“オーダーメイドレシピ”も多く手がける。著書に“あゆみ食堂のお弁当23人の手紙からうまれたレシピ”(文化出版局)、″超元気になれる!あゆみ食堂のワンプレート″(家の光協会)がある。

東京で活動していた頃、諏訪市内のリサイクルショップ「ReBuilding Center JAPAN」との出会いをきっかけに、この地域とのつながりが少しずつ生まれていった大塩さん。当時は東京以外での開業を考えていたものの、諏訪は候補に入っていなかったそう。

そんな中、友人からふと「諏訪でお店をやったら?」と言われたことが転機に。ご縁が重なり、そこからわずか二週間で物件と出会い、2019年、あゆみ食堂をオープンしました。

「Commonについてなら、結構話せますよ」と大塩さん。出会いは、東京を拠点に活動していた頃。ケータリングの仕事で東京西海(西海陶器のグループ会社)を訪れた際に、実際に使ったことが始まりだったそうです。

オープンにあたって、まず探したのはランチ用の器。ワンプレートで提供することを考え、東京西海のスタッフに相談したうえで、最終的にCommonを選びました。

「ケータリングで使いやすさは実感していたのですが、当時は少しポップな色味に感じていたんです。でも、オーバルの形やサイズ感を改めて見たときに、『やっぱりいいかも』と思えました」

オーバルプレートと同様、ボウルもイエロー、グレー、ブルーの3色をセレクト。
オープンから7年が経った今も、Commonの器が割れたのは一度だけだそうです

「使用頻度が高いことを想定してつくられている器だと思います。重すぎず軽すぎない重量感、しっかりとのった釉薬、均一な厚み。それが割れにくさにつながっているのかもしれません。日々使う中で、その丈夫さには助けられています」

この日のランチプレートは、「さっぱりおいしい!エスニックまぜごはんプレート」。
季節の野菜やなます、エスニック豚そぼろ、揚げごぼう、錦糸卵などを盛り付け、10種類以上の素材を一皿に。食感や香りの違いを楽しみながら、混ぜ合わせて味わう一品です。

「うちではごはんの量を大・中・小の3種類でご用意しています。器を選んだ時はまったく想定していなかったのですが、混み合ったときに色で量を分けられるのが意外と便利で。忙しい時間帯でも、色で判断できるのでスタッフ同士の伝達がスムーズなんです」

手作りのデザートも人気です。メレンゲにヨーグルトを加えたクリームと季節のフルーツ(この日はいちご)を合わせたイギリスの伝統菓子「イートン・メス」は、ほどよい酸味と軽やかな食感で、カモミールが香りのアクセントに。合わせたのは、Commonのウォーターグラスに注いだアイスティー。

「ウォーターグラスは、まっすぐな形がいいんです。持ったときに安心感があって、厚すぎないから飲みやすい。お店では、アイスティーや自家製シロップのソーダをサーブするときに使っています」

オープン当初から焼き続けている自家製プリンと、Commonのカップ&ソーサーでいただくホットコーヒー。

「最初はソーサーを使わず、カップだけで提供していました。途中から取り入れたのですが、サーブがしやすくなりました」

コーヒーは、親交のある「Meow! Coffee Roastery」の自家焙煎豆を使用したスペシャルティコーヒー。栃木県の山小屋で焙煎されているそう。食後をゆっくりと締めくくる一杯です。

Commonのワイングラスに注がれているのは、奥谷農園(愛媛県宇和島市)のオレンジジュース。ジュースは季節ごとに、その時々でおいしいと思えるものを大塩さんが選んでいます。ステムのほどよい厚みもお気に入り。

もともと酒粕には少し苦手意識があったものの、近隣に酒蔵が多いこともあり、知人のジェラート屋さんと共同で開発したのが、この「酒粕アイス」。ヨーグルトを隠し味にミルキーでやさしい風味に仕上げています。上に添えた伊予柑ジャムは、大塩さんのご実家の特製です。

テイクアウト用にと始めたマフィンも、人気のひとつ。季節のフルーツを組み合わせることが多く、この日は「ブラッドオレンジとチョコのマフィン」。米粉の生地で軽やかな食感ながら、満足感のある味わいに仕上げています。

スタッフの森さんも、Commonの使い心地を語ってくれました。「食洗機から取り出したとき、水切れがいい印象です。乾くのが早く、すぐに棚へ戻せるのが便利です」

マグも、お皿と同様に個性が出すぎないものを選びたいという思いから、Commonに。
ホワイトとグレーを採用したのは、さまざまな飲み物に合わせやすいから。日常使いしやすい、ほどよい存在感も気に入っているそうです。

2017年刊行の初の著書『あゆみ食堂のお弁当』は、朝日新聞デジタル「&w」での連載をベースにした一冊。この本をきっかけに大塩さんのファンになった方も多く、店頭で自由に読める本書はすっかり年季が入っています。

オープンしてから、この秋で丸7年。大塩さんは少しずつ先のことを思い描くようになりました。

「街も好きですが、もう少し山のあたり、緑のある場所でも働いてみたいなと思うようになって」

今のお店への愛着は変わらないけれど、いつかこの場所を受け継いでくれる人を育てたい。そんな気持ちも、少しずつ芽生えてきているそうです。

これからはじまるあゆみ食堂の第二幕にも、”楽しいおいしい”時間が流れることでしょう。

あゆみ食堂
住所:長野県諏訪市元町5-12
電話:0266-75-2720
Instagram:@ayumishokudo

撮影:阿部健 @t_a_b_e